競馬の予想会社の多くは、外れ予想を当たり予想と同格の扱いで掲載することは稀である。勿論予想にとって外れとはマイナス情報であり、訪問者に敬遠される理由を与えるのは明白である。しかし予想にとって外れ目も当たり目と同等、もしくは時にはそれ以上の価値を持っていることを正しく知る者は案外少ない。
大抵の人間は予想一覧を見せられると決まって当たり目の予想のみに注目してしまう。勿論、それによりシュミレーションしてその予想に乗った場合の収支計算をする行為は間違いではない。しかし、いくらそこで良い結果であろうと、今後その予想法を以って全面的に馬券を買うとしても、なかなか過去のシュミレート通りに事が運ばないのは周知の事実である。
それはなぜなのか?
予想法の内容にもよるが、もともと的中率が低い予想法であれば、シュミレート期間と同等レベルで当たりにならないことが理由の一番手である。的中率が高い予想法なら実践ではそこまでのレベルでの的中率にならないのが大半の理由になるだろう。
例えばシュミレートでの的中率がおおよそ20%の精度を持つ方法単勝の必勝法があるとする。単勝オッズ一番人気の的中率が約35%なので、それの6掛けレベルの的中率である。因みに単勝一番人気の連対率や複勝率はどのくらいかご存じだろうか。これは連対率で53%、複勝率で65%レベルが通年のJRA競馬の的中レベルである。つまり単勝一番人気を常に買う方法なら3回に1回的中し、3回に1回2,3着に惜しくも敗れ、残りは4着以下に敗れるということになる。1点買いで3回に1回当たる方法とはよくよく考えれば非常に高確率で的中する方法だと思うが、それでも的中と同じだけ惜しい外れがある方法であるということを深く認識しないといけない。
つまり的中率が低い方法であればあるほど、当たり以上に惜しい外れが続く方法ということになる。言いかえれば単勝20%の的中率なら少なくとも複勝圏で55%程度の的中率になっていなければいけないことになる。単勝必勝法からすると2、3着は外れで予想実績では無視されてしまう情報かも知れないが、上記の件を踏まえるならば、決して見過ごしてはいけない情報であることは間違いない。ある期間の検証データをもって馬券術の有効性を測るならば的中率20%の精度の馬券術は複勝率が55%程度以上も同時に達成している事実をもってはじめて検討するに足りうる法則になると言うことである。
この考え方でいけば、的中率が50%を超えると豪語する馬券術の危うさも見えてくる。2回に1回以上当たる方法ならば、もし外れたとしても大半は惜しい外れでなければならない。馬券の種類にもよるだろうが、単勝の馬券術ならば複勝率としては85%~90%以上は必要だろうし、1点買いのワイド馬券ならば買い目の2頭が5着までに入着する確率は、こちらも少なくとも85%程度は必要になってくるだろう。だから高確率を謳っている予想法の欺瞞は外れ目を見るだけでも簡単に見抜くことは出来る。要は例え外れたとしてもその予想の大半はかなり惜しい外れ目で構成されていることになるからである。
どの券種の馬券術であろうと的中馬券の周りには的中馬券と同等の多くの惜しい不的中馬券が存在している。またそうでなければ、その馬券術の的中率はデータの偏りにより引き起こっているだけの只の紛いものでしかない。この点を予想の提供者も受取る側も往々に無視してしまう。提供者側はもともと紛いものの方が多いので敢えてこの部分を隠すのは分かるが、受け手側は騙されない為に、決してそれを見逃してはいけないとは思う。
競馬の結果に一喜一憂するのは人間の常だが、惜しいレースが続くからといって嘆いてはいけない。少なくとも正しい予想なら的中率と同等レベルで惜しい外れは必然の出来事なのだからである。逆説的には惜しい外れが続くのならば、何れは潮目が変わり的中馬券に変わっていく。逆もまた真なりである。そして当りと惜しい外れも含めた出現率が自分の思い描く出現率の枠に収まるならば、その方法は競馬の必勝法として上手く機能する方法になり得る可能性は漸く高まるのである。
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