2009.03.29 中京11R 高松宮記念 G1

By admin On 3月 28th, 2009

 今年2つ目のG1は、中京競馬場で実施される高松宮記念である。電撃の6ハロン戦。小廻りの競馬場なので、さぞかし逃げ・先行馬が有利かとも思われるが、不思議にこのレースの勝者には差し・追い込み脚質の馬が多い。その理由としては、G1戦ともなると展開よりも、純粋なスピード能力の絶対値が、勝因として最も重要な条件になるからだろう。

 この出走メンバーを、独自のスピート能力値で測ると、

16ビービーガルダン
13ローレルゲレイロ
14ドラゴンファング
の3頭が勝馬候補として浮かび上がる。これは前走の阪急杯の結果が色濃く反映されている。その阪急杯は1400m戦であるが、高松宮記念の前哨戦としては、一番多くの勝馬を輩出しており、その意味からはあながち的外れな数値でもない。

 この3頭の中では勿論16ビービーガルダンが最有力馬に見える。だが、当馬の今回の鞍上は武幸四郎。ドバイに主張中の安藤勝己の代打としての騎乗だが、この鞍上では到底本命になど推せない。先行することが絶対条件の馬に乗り、上手くスタートを切り、尚且つスムーズに前に付けて行けるかと考えただけでも無理がある。まして今回の舞台はG1戦、僅かなミスが負けに繋がる。ならば当馬を外す方が妥当性があるし、馬券的な旨みは増大すると考える。

 一方13ローレルゲレイロは藤田の騎乗。当馬とは3歳時のNHKマイル2着、東京新聞杯2着、阪急杯2着と大舞台でも好走しており、相性は非常に良い。前年は逃げて4着だったが、臨戦過程が同じだとしても今年の方が調子は上向いている。唯一の不安点は、詰めが甘い点。1着3回に対して2着7回の実績はここ一番での弱さを示し、複勝圏に食い込む確率はここでも一番高いと思われるが、勝つまでの期待を寄せるには一抹の不安があるのも事実である。

 では14ドラゴンファングならどうだろうか。前走昇級戦で重賞にも関わらず2番人気まで支持を集めたが、結局は上記2頭に全く及ばずの3着に終わった。今回は更にレベルが上がるG1戦、当馬の人気は全くなくなるに違いない。また、G1初挑戦となる馬でこのレースを勝ったのは、スズカフェニックス唯1頭だけであり、その意味でもこのレースで14ドラゴンファングにとって厳しい条件に見える。よほど恵まれなければというのが通常の見方であり、競馬の常識だろう。しかし、その常識はオッズとは常に反比例の関係にある。確率が低かろうが、オッズがそれ以上に上昇すれば期待値は100%を超えるものだ。戦歴の傷のなさと鞍上藤岡佑介の手腕にも期するものがある。よって、やや無理筋だが14ドラゴンファングを本線に推したい。13ローレルゲレイロとのワイドも買い目に加え、この若駒の健闘に期待する。

 レース結果

 回顧録

 勝馬は13ローレルゲレイロ。藤田の見事な手綱捌きに応え、堂々のG1馬となった。父のキングヘイローとの親子制覇は完璧なるフィナーレとも言える。外枠からの逃げを躊躇いなく行った鞍上のファインプレーの賜物だろう。いつもは後一歩足りない競馬を繰り返す馬が、今日は直線差し返しての優勝であり、一際その価値は高まった。

 2着には久々ながら一番人気に支持された4スリープレスナイトが入り、混戦予想ながら実力馬が1、2着を占めた。それにしても4スリープレスナイトは、1200m戦では滅法強い馬であることを改めて認識し直した。今回は全く用無しだと考えていた為、より一層その強さを感じさせる走りに見えた。しかしラップタイムからは別の面も見えてくる。このレースの上がり3ハロンの時計は11.5-11.4-12.0。スリープレスナイトが快勝した前年のスプリンターステークスでのそれは、11.4-11.5-11.5であり、完璧なフラットの速さを示しており、コースが違えど今回残り1ハロンで失速したのは、やはり久々が堪えたのが分かる。その意味では13ローレルゲレイロの踏ん張りも、4が本調子でなかったからとの見方もできる。

 本線に推した14ドラゴンファングは、直線入り口で勝馬に迫り、一瞬あわやというシーンもあったが、そこまで止まりだった。やはりG1の壁は、人馬ともに甘くはないということである。16ビービーガルダンもスタート、道中ともに悪くはないように見えたが、直線では全く見所がなかった。これは武幸四郎の騎乗が当初の予想さえ遥かに飛び超えて、下手糞過ぎた為である。