2009.06.28 阪神10R 宝塚記念 G1

By admin On 6月 27th, 2009

 10ディープスカイは昨年の天皇賞秋以降4戦して3着、2着、2着、2着と何れのレースも勝ち切れないが、強豪相手に高いレベルで安定した走りを続けている。それらのレースで敗れた相手はウォッカ2回に、ダイワスカーレットとこのレースにも出場してきた9ドリームジャーニーと10スクリーンヒーローの僅か4頭のみ。その内実力断然のダイワスカーレットは既に引退しており、ウォッカも今回このレースを回避したのなら、ディープスカイが前売り段階で単勝50%強の支持を受けるのも当然と言えば当然のことである。

 サンデー亡きあとの最有力後継種牡馬と見なされるまでになった父アグネスタキオンが先日急死したことも、この馬を勝たせる為に競馬と言う名のドラマが用意したプロットの一つに思える。過熱気味の単勝人気はそんな競馬ファンの想いも込めた盛り上がりでもあるのだろう。

 おそらく今回のディープスカイは勝つか負けるかではなく、勝つか2着になるかのどちらかだろう。つまり、馬連で勝負するなら10一頭軸の総流し馬券が一番的中率が高い賭け方になると思われる。

 しかし、馬単の1着固定流しや単勝での勝負についての見解は異なる。ディープスカイは有力だが、このメンバー相手でも頭で間違いないまでの確信はないというより、今回も何かに足元をすくわれるのではないかという疑念を払拭することはできない。ディープスカイは優れた一流馬なのは間違いないが、超一流と呼ぶには些か足りない部分が見受けられるからだ。スピードや瞬発力といったどの能力もきわめて高いものをバランス良く有してはいるが、その何れもが飛び抜けたものでない為にこうも惜しいレースが続いているともみなせるのだ。

 ディープ自身どんな展開でも好走するが、展開毎でディープスカイより走破スピードの優る馬が存在するケースが多い馬と言えるのではないだろうか。例えば、昨年のジャパンカップでは先に抜け出したスクリーンヒーローの方が、そのレース展開では速くゴールまで到達することが出来たし、差し展開であった大阪杯や安田記念ではディープよりもドリームジャーニーやウォッカの方がよりその馬達の武器である差し脚が優る展開に成り得たということである。無論ディープスカイ自身優れた馬なので、レースで敗れはしたが、何れもあと一歩の惜しい敗戦だったことは間違いない。だが常に足りないのは、絶対的な突出した武器を持っていないからだらとも言えるのである。そう考えると馬単なら、このメンバーでも2着付けの馬券が最も妙味がある狙いと考える。

 ならば頭候補はどの馬か?この対象としては実際に直接対決でディープスカイを負かしたことのある9ドリームジャーニーか10スクリーンヒーローあたりが定石だろう。しかし、10スクリーンヒーローはジャパンカップ以降は今ひとつ。前走の天皇賞春でもマイネルキッツから2.7秒も引き離されて負けているようでは相手にはならない。

 ならば9ドリームジャーニーしか残っていない。但しこの馬を前走で封じ込めた1マイネルキッツと7アルナスラインは確実に抑えておきたい。

 勿論心情的にはディープスカイに勝ってほしい。しかしどんなに頑張っても2着にしかなれない『どつぼ』と言う状況は存在する。そして今までの競馬の流れを見るならば、ディープスカイを『どつぼ馬』と見なせば一番効率的な馬券の買い方になるのは間違いない事実だと思うのである。

 レース結果

 回顧録

 やはりと言うか、残念と言うべきか。杞憂は現実になり、予想としては勝ちではあるのだろうが、競馬全体を考えたならば今一つ喜び難い結果でもある。

 断然の一番人気であろうとG1クラスの究極のレースでは、やはり僅かに嵌らなかった。10ディープスカイはどんなコースでもどんな相手でも持てる力を出し切ることができるのだが、展開毎に更に優る馬には叶わない弱点をここでもまたしても晒してしまった。

 しかし別の見方で言うと、オールラウンダーではあるが王者には成り切れない『どつぼ馬』がここまで人気を集めてくれるのなら、馬券は割と簡単な面もあると言うことだ。膨れ上がった人気馬の賭け金が一気に勝馬の配当に注がれるのだから難しい事はなにもない。但し10の上に2頭もいたのは少々計算外ではあったのだが。

 勝ったドリームジャニーは正に完勝。G1で2着に0.3秒差付けての勝利ならどこにも非の打ちようがない。池添騎手はデビューから今まで彼の単勝を買い続けるだけで黒字になる極めて稀有な中央の一流騎手である。それほどまでの腕をここでも十分に見せつけた格好となった。陣営の仕上げも見事だったが、昨年の夏から武豊に替わってこの馬の主戦となり、このレースで見事に2歳チャンプを再びG1馬に返り咲かした手腕は絶賛に値する。

 2着は僅かに8サクラメガワンダー。ここでは1つ足りなかったが、10ディープスカイを抑え込んでの2着は大いに胸を張っていいだろう。6歳ならまだまだ老け込む歳でもない。秋にも十分期待できる走りであった。

 ただ残念なのは天皇賞春の1、2着馬。いつもながらのスピードの足りなさを露呈してしまった。やはり両馬とも戦法としては前からなだれ込むレースの方が合っているのだろう。アルナスラインに至っては最後は前が詰まり全然追えていない。騎手の性格にも依るのだろうが以前の和田騎手の方がこの馬には合っていると感じられるほどの残念な内容となってしまった。