【回顧】
このレースの勝馬になった7クィーンスプマンテの上がり3ハロンタイムは36.8秒、2着に踏ん張った11ティエムプリテュアの上がりタイムは36.9秒、それより約4秒も速い上がりタイムの32.9秒を計測した16ブエナビスタが3着なのだから、やはり競馬は難しいという他はない。
但し、一つだけはっきりしているのは、追い込み脚質で同期の牝馬相手にも確たる差を付け勝利してきた訳ではない牝馬にとって、単勝1.6倍のオッズは過剰人気でしかないという現実だけである。
単勝オッズ1.6倍とは、丁度全体の50%を占める売上である。つまり、ブエナビスタに賭けるか、ブエナビスタを除くその他全ての馬に賭けるかの丁度分岐点に当たる。その視点からは、今回もブエナビスタを切る方向が正しかったというだけの結果である。
ブエナビスタの圧倒的競争能力は認めるとしても、追い込み脚質の人気馬には恵まれる勝利に薄く、外す方向にしか馬券的メリットは存在しないのは明白である。この点だけはいつの時代も間違いない馬券戦略だと思う。(但し、それでも勝ち馬をピックアップするのは至難の作業ではあるが・・・。)今後も過剰人気が続くのならば、やはりブエナビスタの馬券は切りの方向で考えられれば、儲かる馬になることは間違いない。
一方、小島茂厩舎にとっては前年の秋華賞勝ちに続く二つ目のG1奪取。美浦の所属馬なので西高東低の現在の競馬に於いては常に人気の盲点になるが、ケレン味のない逃げ戦法を駆使しての勝利は、見事の一言。馬、騎手、厩舎全てが地味だが、それゆえに一層この勝利の価値は大きい。但し忘れてはならないのは今回の勝利はフロックであること。次戦以降人気になるようなら、この馬を選択した馬券の妙味は全くないだろう。
2着に残った11テイエムプリキュアも今年一月の日経新春杯以来の粘り腰だった。鞍上もG1とは縁遠いだけに、全く人気がなかったが、ハマれば大舞台でもまだまだ健在であることを見せつけることはできた。こちらも人気がなければ、まだまだ活躍する場もあるかも知れない。
唯一の外国馬10シャラナヤも416Kの小柄な牝馬ながら、やはりG1馬の貫録は見せつけてくれた。ルメールの手綱捌きも上手いのだろうが、それでも軽めの調教だけでここまでの実力を発揮するのだから、国際レーティング120という数字も強ち誇大広告ではなかったということである。国際化の波が一段と増すようになれば、この手の外国産馬の参加も増え、今後一層馬券の買い方は難しくなっていくだろう。
最後に、競馬で荒れる条件は大きく分けて4つある。多頭数、牝馬限定戦、荒れ馬場、ハンデ戦。その内の3つの条件を含んでいたこのレースが、3連単馬券で100万馬券になるのは、ある意味当然の成り行きであり、正にその傾向に合致した結果のレースになったのが今年のエリザベス女王杯であったということである。

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